ごあいさつ
当社の環境報告書を発行して、はや4年目となりました。ISO14001を取得してから丁度6年目となり、2度目の更新となりました。最近のわが国経済は、失われた10年という呪縛を解いて、負の遺産をようやく克服しつつあります。環境に関する法的な整備も進み、環境と経営を両立させて取り組む企業も多くなりました。そして、1997年に採択された京都議定書も、ロシアが批准したことにより、ようやく批准した先進国のCO2排出量が総排出量の55%を超え、来年の2月から発効する運びとなりました。CO2削減は、まさに待ったなしの状況となりました。2002年度の温暖化ガス排出量は、削減目標よりも約13%増加しており、厳しい状況となっています。
工作機械業界と環境問題
わが国の工作機械は、生産高において依然として世界のトップの地位にあり、品質、機能においても揺るぎないリーダーシップを発揮しています。また、工作機械が生産財であることから、多くの企業がグローバルな展開をしている業界でもあります。そのため環境問題に対して関心も深く、(社)日本工作機械工業会として、1998年5月に『工作機械産業の環境自主行動計画』を策定し、省エネルギー、廃棄物の削減について、2010年目標達成に業界を挙げて取り組んでいます。今後は、この高いハードルを越えるべく、一層、改善活動の強化を進めてまいります。
当社の環境活動の歩み
中村留精密工業は、1949年の創業以来、常に進取の精神で取り組んで参りました。現在、金属工作機械、光学・液晶用ガラス加工機を主に製造販売し、高精度、高能率を実現する『複合加工機』として独創的な商品を送り出しています。マザーマシン(機械を生み出す機械)として使用される当社の製品は、国内だけでなく世界各国へ輸出され、多くの国々のユーザ様からご支持をいただいております。当社は、緑豊かな環境の工場で、製品造りを行ってまいりました。1998年に環境マネジメントシステムの国際規格ISO14001を、業界の中でも早期に認証取得し、これらの活動を更に拡大してまいりました。以来、地球温暖化防止や循環型社会形成に貢献するという目的意識を持って、毎年、環境パフォーマンスの改善に取組んでいます。2001年には、これらの取組みを集大成した環境報告書を発行し、12月に『環境レポート大賞奨励賞』を受賞、さらに、2002年1月に、『石川グリーン企業知事表彰』を受賞いたしました。
今年度の活動
昨年度は、ESCOの導入を行い、エネルギー削減にも積極的に取り組みました。今年度は、廃プラスチックのリサイクルを継続すると共に、電力等のエネルギー削減に積極的に投資し、改善を推進してまいります。また、環境有害物質による汚染防止や、環境負荷を少なくする製品改善に継続的に取り組みます。この様な取組みが、21世紀における持続可能な循環型社会に繋がるものと確信しております。この報告書によって、当社の環境活動が一人でも多くの方々にご理解いただければ幸いに存じます。
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